四国の右下、徳島県南部にある人口3600人の小さな町
関係人口として町に貢献する大学生の活動を支援し、
地域の活力を生み出します。
2014年、高校生対象のリベラル・アーツ教育プログラムであるHLABサマースクールが牟岐町で開催されました。これを契機に学生NPO法人ひとつむぎによる教育支援やまちづくりの活動が始まりました。その後、牟岐町には多くの大学生が関わりを持ち、大学のゼミによる地域実習も行われるようになりました。こうした大学生(若者関係人口)と、行政・学校・地域との橋渡し役となるNPO法人牟岐キャリアサポートが2017年12月に誕生しました。
若者関係人口を生み出すために!
牟岐町では人口減少が急激に進んでいます。町内に高校がない牟岐町では、中学卒業後は地元ととの関係が希薄になっていきます。高校卒業後は就職、進学に伴い大半の者が、地元を離れていきます。地元に働く場所が少ない牟岐町では定住人口を増やすことが難しい状況が続いてきました。
しかし、近年、牟岐町では町内で活動する大学生が増えてきました。また、高校卒業後も牟岐町に貢献したいと口にする若者が生まれ始めたのです。
コロナ禍を経てテレワークが一般化し、牟岐町から巣立った若者が町に関わりを持ち続ける動きが生まれ始めています。「定住人口増加=町の活性化」という固定概念をつき崩し、町外から町に貢献してくれる人口、あるいは地元を離れてもいつでも帰ってきたいと思える可能性、関わりシロを作っていきます。
ChatGPTの登場によりホワイトカラーの存在意義がなくなると言われています。こうしたテクノロジーの発展に子ども・若者がしなやかに対応し、人間らしく生きていくために地方での体験、学びの重要性が高まっているのではないでしょうか。
若者たちの活動が町を元気にしています。
牟岐キャリアサポートは若者たちの活動を中間支援する組織です。
徳島SDGsスタディツアー(JT SDGs貢献プロジェクト)
牟岐町で大学生が活動するきっかけとなったのが、2014に始まった一般社団法人HLABのサマースクール。この伝統を引き継ぐ形で2022年から日本たばこ産業(株)様から「JT SDGs貢献プロジェクト」の助成を受け、一般社団法人HLABと共催で大学生と高校生がSDGsの視点から学びの時間を共有するスタディツアーを開催しています。
NPO法人ひとつむぎ
2014年のHLAB運営スタッフの一部学生によって設立。中学生対象のキャリア教育プログラム「シラタマ活動」を中心に、教育支援やまちづくり支援の活動を通年で行っています。通年で活動し、牟岐町にとって最も身近な若者が、ひとつむぎであると言えます。ひとつむぎの名称は「人と人を紡ぐ」「牟岐で一つになった」が由来です。https://www.hitotsumugi.org/
一般社団法人うみのこてらす
2021年度、牟岐町の「課題解決マッチング事業」で中高生の居場所「your placeプロジェクト」が地元大学生から提案されました。当法人の2年間のスタートアップ支援を経て、中高生の居場所ゆあぷれ・フリースペースわれもこう・子どもみんな食堂を運営する団体「うみのこてらす」が誕生しました。
うみのこてらすホームページうみのこてらす ホームページ https://www.uminokoterasu.com/
多くの自治体が移住政策に力を入れ、稼ぐことができる社会人をターゲットに関係人口を増やそうとしています。しかし、牟岐町で短期的には効果が見えにくい大学生を受け入れ、教育に力を入れてきました。
8年の年月をかけて大学生に影響を受けた中学生が成人を迎え、この町に貢献したいと動き始めています。大学時代に牟岐町で活動した者が社会人となって「(第二の)故郷」に里帰りする動きがみられます。「コロナ禍で牟岐町を訪れることができない」というピンチをチャンスに変え、牟岐町の課題を大学所在地で解決する創造的な活動も誕生しています。
関係人口は、一朝一夕で生まれるものではなく、企業誘致のように華々しいものではありません。しかし、過疎化が進む町において関わり続ける若者が地域に元気を運んでくれます。できないと諦めていたことが、そうした若者の力によって実現できはじめているのです。
⇒牟岐町大学生・若者活動図鑑 https://w8avn.hp.peraichi.com/wakamonozukan2023?fbclid=IwAR3o3rmgzy5uLNCBefXsVpwzq6NEUvMFDec_PTxGqo97VHRhNgXIxgcXpHE
⇒地域づくりTV ふるさとづくり大賞団体表彰「むぎをつむぐ」https://youtu.be/-l6pjZGieqM